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JEAN カラーバリエーション
5 POCKET JEAN
4 POCKET JEAN
左から
インディゴ
カーキ / SOLD OUT
オリーブ
エクリュ
5 POCKET JEAN(12oz DENIM)
〈ファブリック〉
ビンテージのデニムを徹底解析して現代に蘇らせたスペシャルファブリックです。このファブリックのすさまじい点は、明らかに一見で、糸やファブリックに対する知識が皆無であっても、違いがはっきりとわかる点です。例えば、本ファブリックと普通のデニム生地を、そう、10センチ四方程度の四角にカットして、それぞれ10枚ずつ用意したとしましょう。
その後、同じ種類の生地でふたつに分けてください。とお願いしたとしましょう。誰もが、簡単にふたつに分けられるはずです。
本ファブリックと、普通のデニムに。
縦方向に、明らかに普通のデニムとは異なる複雑で豊かな凹凸が存在しています。これは、タテ糸に6番、7番、8番の異番手をランダムにかけているからです。タテ糸は織物の根幹とも言える部分です。同番手の糸をできるだけ長くかければ安定した大量生産が可能です?理由は、単純な話、織物はタテ方向が長いから。例えば1反、と言った場合、縦方向の長さはおおよそ30〜50メートルです。ヨコは70〜150センチ程度くらいまで。織機の規格によっていろいろありますが、タテ方向はヨコ方向に比べれば断然長いのです。そのため経糸を固定しておき、数反織り上げた後にヨコ糸を細番にすることで、今度は最初の数反より薄い生地を、また複数反織り上げる事ができます。
私たちは、ビンテージデニムの中で、この法則をまるっきり無視したものに出会いました。そのデニムが上記のように異なる異番手をアットランダムにかけたものだったのです。異常とも言える設計ですが、そこには、大戦下の物資不足がありました。同番手の安定した糸をかけるべきところを、とりあえず入手した異番手を端から順次かけて行ったというわけです。いわば苦肉の策でしたが、生まれ出た製品は他とは全く異なった表情を持っていました。基本設計が異なるので、あたりまえと言えばあたりまえですが、フラットで均一な普通のデニムとは全く違う、ゆたかなふくらみ、自然な凹凸、立体的な構造となったのです。大戦下に生まれ、やがては均一化と大量生産の波にのまれてほんの短い期間しか存在しなかった、幻のようなデニム。いったんは失われ、ビンテージが存在するのみとなったファブリックを私たちは現在に蘇らせました。
4色の展開のうち、インディゴはインド藍を使用しています。インド藍を用いた染色の最大の特徴は、本製品のような黒みがかったブルーに染まる事。このカラーを再現するために、ケミカル染料と硫化染料を組み合わせている製品も実は存在します。なかなかたいした技術で、店頭に並んでいる時は見分けがつかない場合があります。ただし、はき込む程に化けの皮ははがれますので、長年の愛用には向きません。また、インディゴカラーのファブリックは、ヨコ糸にベージュの先染め糸を打っています。これにより組成による豊かな表情に加え、カラー面でもまた積層的な広がりが付与されています。これはもともと欧州のビンテージデニムに用いられている手法を応用したものです。米国の場合、タテはロープ染色で行うのが通例ですが、欧州の場合はタテ糸をかけた状態での染色、すなわちタテ捺染がしばしば用いられました。ただし、タテ捺染は濃度を上げにくく、ダークネイビーに染めることが困難でした、いわゆる濃度限界です。そこで、ヨコ糸に色糸を使うことで、少しでも全体を濃く見せようとする試みがなされました。本製品は過去に存在したテクニックを複合的に積み重ねる事で稀少な表情を持つファブリックに織り上げているのです。インディゴ以外のオリーブとベージュは、タテ糸を7番に固定しています。インディゴに比べて色調が浅いので、インディゴ同様の異番手設計にしてしまうと組織が立ちすぎてけばけばしく見えるからです。これらの微細なバランスをとるために、オリーブとベージュの2色はヨコにベージュではなく杢糸を打っています。ただでさえ特異な設計のファブリックを、さらに色毎に最適な設計に変えているわけです。オリーブ、ベージュは色が浅い分、自然なヨコ段が見える製品があります。製品によってヨコ段の現れ方はまちまちです。これは、製織の際、昔の力織機のテンションを再現するために製織速度を約70%まで落として織っているから。ナイジェル・ケーボンの製品が持つ、ファブリックに対するアプローチを明確に具現化して生まれたスペシャルなデニムなのです。
4POCKET JEAN(12oz DENIM)
極めて特殊な設計が施されたデニムです。まず、インディゴとその他の色で基本設計を変えてます。インディゴは、タテ糸に6番、7番、8番の異番手をランダムに掛けています。これを力織機で織ることで、見事な凹凸感、ナチュラルな揺らぎのある表情が出現しています。ヨコにはベージュの色糸を打っています。
ヨコの色糸は、欧州のビンテージデニムに散見される仕様のひとつです。
米国製の場合、タテはロープ染色で行うのが通例ですが、欧州の場合にはしばしばタテを掛けた状態で着色するタテ糸捺染が採用されました。この手法は濃度を上げにくく、浅い色になるため、ヨコ糸に工夫をこらしました。つまり、タテの色が薄い分、ヨコに色糸を打って、少しでも全体の濃度を上げようという努力です。本ファブリックは、米国のタテ、欧州のヨコのテクニックを組み合わせたものです。
オリーブ、ベージュの2色は、異番手にすると浅い色の中で揺らぎが悪目立ちするので、すべて7番の糸で統一しています。インディゴより一歩控えたわけです。しかし、ヨコはインディゴより一歩踏み込みます。
インディゴでは単色のベージュですが、オリーブとベージュは杢糸、しかも濃度差が顕著に出る撚り杢を打っています。
ちなみにタテのインディゴはインド藍を使用。
本ファブリックは通常のインディゴに比べて黒みがかっています。これが天然インド藍の特徴です。逆に言えば、ケミカルインディゴではこの黒みがかったブルーは出ません。ただし、ケミカルインディゴと硫化染料を組み合わせる事で、これに近いカラーを表現する事はできます。近年は時に技術が向上しており、店頭ではインド藍と見分けがつかないほどの製品も多く存在します。
しかし、数年間履き込んだ後の両者は雲泥の差が生じます。
作為的な製品の泣き所です。デザインは、オーソドックスなビンテージデニム2種類をベースにし、それぞれ前身頃、後身頃に反映させています。
オリジナルは当然ミシンも異なりますので、本製品も前後でミシンを変えて縫い上げています。
本ファブリックはサンフォ、スキューを外しています。防縮加工であるサンフォライズド加工、捻れ、斜行防止のスキュー加工のふたつです。これらを行わないことで、オリジナル設計のもたらす風合いを100%活かしています。よって、洗濯により縮みと若干の捻れが生じます。
エクリュ色は
綿花の夾雑物を残した深みのあるアイボリーが大きな特徴です。白いデニムは、ちょっと合わせづらいものですが、その理由はクリーンすぎるから。本製品は、奥行きと落ちついた色合いを持っているため、なんなくコーディネートする事が可能です。
ナイジェル・ケーボン資料引用